離婚の準備

協議離婚は、離婚理由は問われず、夫婦で話し合い合意があれば成立します。
裁判所が関与しないため、裁判で必要とされる法定離婚原因の有無は問われません。
はたから見れば離婚するほどでもない些細な理由でも、夫婦間の合意があれば自由に離婚することができます。
離婚届には二人の保証人が必要になります。
しかし、法定離婚原因がある場合でも、夫婦間の合意がなければ離婚は認められません。
なかなか合意に達することがない場合、離婚調停が行なわれます。
話し合いのなかで問題になるのは子供と財産でしょう。
どちらも大切なものなので明確にしておく必要があります。
書面に残すことだけでも有効ですが、話し合いの内容を公証人役場に持ち込み公正証書にしてもらうと確実です。
未成年の子供がいる場合、父母のどちらが親権者になるかを決めておく必要があります。
離婚届に子供の親権者を記載する欄があるので、離婚届に親権者が記載されていない場合は、離婚届は受理されません。
母親に経済力があるときは問題なく母方がよいと思われますが、生活は愛情だけでは乗り越えられない場合もありますから女性は充分検討することが必要です。

離婚するまで

離婚届を提出に行って、まず最初に苗字を自分で選べるということに驚いた。
そのまま夫の姓を名乗っても、旧姓に戻してもいいのだ。
そして、自分が戸籍筆頭者となり新しい戸籍を作成する。
夫の戸籍はでかでかと×で妻の名前が抹消されるが、妻は新しい戸籍となり×はないのだ。本籍も日本中のどこからでも好きな住所を選んでいいという。
しかし、どこでもと言われても知らない住所は書けないので、とりあえず実家の住所を書いた。
役所で離婚の手続きがすんで、窓口の人は最後に何というのか興味深く聞いていたら、事務的に「お疲れさまでした」と言われた。
それが一番ふさわしい言葉かもしれないと妙に納得した。
次に子供たちを夫の籍から抜いて、家庭裁判所に行って今度は自分の戸籍に入籍する手続きをとる。
わが子ながら家庭裁判所にいって了解を得なければ、法的には自分の子供として認められない。
離婚のごたごたで気力が萎えていたけれど、子供たちが自分の籍に入籍されたときは、ほっとして心からうれしかった。
それまで住民票や戸籍謄本など、何かの手続きに伴う紙切れだと思っていたけれど、離婚してみてその重みに気がついた。

離婚とお金

さまざまな理由で離婚を検討している夫婦は世の中にごまんといるでしょう。
男性は社会的な立場を気にしたり、身の回りの雑多なことも煩わしく感じたりで我慢してしまう人もいます。
女性はまず金銭的なことが一番記になります。
女性で専業主婦であった場合、離婚後も離婚前と同じ水準で生活をするのはおそらく困難なものとなります。
結婚・子育てで社会から離れていた場合には、すぐに仕事が見つかり安定した収入が得られるとも限りません。
また、男性は妻が子供を引き取った場合、毎月決まった金額の養育費を送金することになります。
このように離婚するということは、夫婦の法的な関係が変化するほかにも、日常生活と金銭面においてとても大きな変化が生じます。
金銭のことで離婚を躊躇する人は特にお金のことは離婚後の生活をよく考えて、離婚を決意した段階から、慎重に心構えと準備をしておく必要があります。
現代の若い女性は結婚すると同時に、夫には内緒で「離婚貯金」なるものを蓄えておくと聞いたことがあります。結婚する意味がだいぶ変わってきている表れではないでしょうか。

離婚のタイミング

離婚をするにはいつがいいか?
結婚と違って勢いだけではなかなか踏み切れないのが離婚です。
どろどろとした確執のなかから抜け出すのは結構、体力・気力が必要です。
ただ、税制上からみると、はっきりした良いタイミングがあります。
「もうがまんできない!」という人以外は参考にしてください。
配偶者を持つ納税者の所得税の控除である、配偶者控除、配偶者特別控除が受けられるか否かは、年末の12月31日現在において配偶者がいるかどうかによって決定します。
配偶者はきちんと入籍されていなければならず、内縁の妻や夫では税制上は認められません。
ということは「離婚するなら、年が明けてから」の方がよいということになります。
たとえ翌年の1月1日に離婚したとしても、税制上の判断は前年の12月31日に籍があったどうかによるからです。ですから、逆に入籍は12月31日までにしたほうが良いということです。
同じように、扶養控除もその年の12月31日現在で控除の対象になる扶養親族の有無で決まります。
したがって出生届は12月中に忘れず出しておいたほうがいいいのです。

離婚の弊害

大人は協議なり調停なりで離婚することはできますが、それに伴ない子供たちには大きな変化がもたらされます。
住む場所や、苗字、通う学校が変わったりするのはもちろん、今までそばにいて当たり前だった人間が存在しなくなるということは精神的に相当な動揺を受けます。
父親が子供をひきとった場合は、今まで仕事だけに邁進すればよかったものを、家事や育児に時間を割かなくてはなりません。
母親は子育てにあてていた時間を生活のために仕事に費やすことになります。
ひとりでふた親分の努力をすることは並大抵ではありません。
子供には知らず知らずのうちに負担がかかります。
それは経済的なものだったり、精神的なものだったりします。
しかし、幸せの形は人それぞれですから、必ずしも両親ともに揃っていれば幸せとは限りません。
表面は整っていても争いの絶えない冷たい家庭に育つことは幸せとはいえないでしょう。
いずれにせよ、大人の身勝手が子供には大きく影響します。
子供を授かった親として、大きな責任を担っていることを深く受け止めたうえで、離婚を検討しなければいけません。